AppleとSONYの違い

これから書く話は、とある研修中、シナリオについて講師から聞いた際の話である。
内容がどこまで正しいかは不明だが私は「なるほどな」と納得できたので書いてみる。
信じるか/信じないかはあなた次第です。笑

絶好調のAppleと、絶不調のSONY。
スマホで代表的なのはiPhoneとXperiaとなるがその開発の違いについてである。

【iPhone】
iPhoneの開発はあるシナリオで最適な商品を・・・で始まっているのだそうだ。
そのシナリオとは

街を歩いていると、とある店先からとても良い感じの音楽が聴こえてくる。
そのとき、すぐに曲を調べられて、さらに入手出来て、
自分の物としていつでも聴くことが出来たらどんなに良いだろう？

こんなシナリオに合致する商品として開発されたのがiPhoneなのだそうだ。
従って必要な機能は
　3G通信、ネット検索、音楽再生・・・そんなところかな？

このシナリオに合致するよう徹底的に磨きこまれたのがiPhone。
　Appleの狙ったシナリオにピッタリはまる客も居るだろうし、
　違う使い方（PDAとか）でも案外便利と喜ぶ客も居るだろう。
これがスマートフォンと呼ばれるようになったわけだ。

従って日本のガラケーでは当たり前の赤外線通信、ワンセグ、おサイフ、防水などの機能は付いていない。
まぁ日本独自のガラパゴス機能なんだから北米設計に反映されないのも当然だが、そもそも上記シナリオから必要が無いわけだ。

顧客の意見を聞くのではなく、「これどう？」と顧客に提案する形である。

【Xperia】
講師はXperiaと名指しはしなかった。（がSONYのスマホと言えばXperiaですよね）

顧客満足度の向上に気を払い、
　徹底的に顧客の声を聞き、より多くの顧客のニーズを取り込もうとする。
顧客の様々な使い勝手を想定して
　想定されるあらゆる条件化での性能、耐久性などを確認する。
他社の製品を徹底的に調査して
　他社に負けない商品を目指す。

実際、SONYの技術者が「全ての機能を備え持つのがプレミアムである」と発言しているのをXperia SXの紹介記事の中で拝見した。

しかし、どうだろう？

SONY（国産メーカー）のやり方は抜け漏れのない確実な開発でクレームを防止できる。
しかしその反面、独創的なものは生まれにくい。
他社との明確な差別化が出来ないとコモディティ化を引き起こす。
その先はスペック競争から果ては価格競争・・・

Androidを選んだ時点でOSは他社と共通だしハードも制約が生じ似かよってしまう。
この時点でコモディティ化に陥りやすいというハンディキャップがあるわけだ。
そこに既存製品を使う客の声を取り入れたり、他社比較なんてやってたら、
独創的な商品を生みだすことは相当難しいのではなかろうか？
それに輪をかけて官僚天下りキャリアからのくだらない要求も乗っかるわけだし。苦笑

私はSONYやXperiaを否定するつもりは無い。
Xperiaは優秀なスマホだと思っているし、現にソニタブSを愛用している。
SONYの商品の中にも独創的なものは存在する。

そういえばEeePCを思い出してしまう。
それまでのPCは
　何でも出来ます。色々出来ます。だから高いけど・・・買える人はどうぞ！
EeePCは
　ほとんどネットしか使ってねぇじゃん。じゃ、これでどう？安いよぉ～
である。
EeePCには「ネットで学ぶ、働く、遊ぶ」というシナリオがあったわけだ。
残念ながらマイクロソフト社の横槍で一過性のブームに終わってしまったが。

世界一薄い、業界初のクァッドコア、トップクラスの大画面・・・
これらはシナリオじゃない。ただのスペック合戦なのだ。
何かと比べないと良さが表現できないってのはすでにコモディティ化に陥っている。
日本メーカーにも是非しっかりしたシナリオに基づいた商品が開発できるようになっていただきたい。

注釈）
講師は「Xperia」という単語は一切発しておりませんでした。
SONYのみならず日本のメーカーはSONY的な傾向にあるとのことでした。
伝えたかったのは2社の開発の違いであり、Xperiaを否定したかったわけではありません。
誤解無いようにお願いします。